かすかべ時遊帳

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川のある風景・大落古利根川

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 粕壁宿の裏手を日光道中とほぼ平行に流れる川が「大落古利根川」です。江戸時代には、古利根川の舟運で粕壁宿と共に歴史を刻んできました。

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新町橋の川名表示

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古利根公園橋の川名表示

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案内板も新しくなりました。

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「大落古利根川  広域案内図」

大落古利根川

 大落古利根川は、久喜市杉戸町の境にある葛西橋から松伏町下赤岩付近で中川に合流するまでの延長26.7km、流域面積182.3k㎡の一級河川です。その名の示す通り古くは利根川の本流としていくたびかの大洪水を引き起こしました。

 江戸時代の初期に、利根川が現在の流路に付けかえられたため、この流れは大落古利根川として残されました。

 その後、この川は数回の改修を経て、今日の姿となり、中川流域の主要な河川として、また葛西用水の幹線として治水と利水の両面で重要な働きをしています。

 なお、当川の「大落」とは農業排水を落とす幹線排水路の意味です。

河川改修と新田開発

徳川幕府は江戸時代の初期に、将軍のお膝下(おひざもと)である関東の生産基盤づくりのため利根川や荒川の乱流整理を行いました。その工事は、利根川の本流を鬼怒川の支流につなぎ太平洋に放流させるもので、約50年の歳月を要しました。こうした河川改修により、多くの新田が開かれるようになりました。古利根川は県東部低地の水田地帯を流れ、用水路及び排水路として重要な役割を果たしています。春日部市域でも大規模な新田開発が行なわれ、米の生産量が著しく増加しました。

河岸と舟運

江戸時代、河川は物資の輸送路として重要な位置を占めていました。大落古利根川沿いの粕壁宿は商屋や問屋があり、周辺の物資の集積地となつていました。そこから直接物資を送ったり取り寄せたりしたこともあったようです。おそらく米穀をはじめとする農産物を江戸へ送り、日用品や干鰯(ほしか)・〆粕(しめかす)の肥料が江戸から送られてきたものと考えられます。新町橋のたもとには上喜蔵河岸(かみきぞうがし)、碇山付近に下喜蔵河岸(しもきぞうかし)と呼ばれる河岸場があり大落古利根川に面した商家では、直接商家の裏に船を停めて、荷物の積み下ろしを行っていたようです。

松尾芭蕉の句が書かれています。

草臥て 宿かるころや 藤の花

くたびれて やどかるころや ふじのはな

 残念ながら当地で詠まれた句ではありません。笈の小文の句とのこと。奈良大和の八木で詠まれたそうです。念のため。

 

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商家の裏には蔵。

大落古利根川再生事業

 平成24年〜27年、大落古利根川流域の杉戸町、宮代町、春日部市松伏町にわたって、行われた大落古利根川まるごと再生プロジェクトによって、遊歩道、水辺のテラスなどの整備が行われ、ウオーキング、ジョギング、犬の散歩など早朝から多くの人々を見かけます。現在、周辺の人々の憩い水辺となっています。

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案内板も新しくなりました。
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水辺のテラス。夏にはイベントが開催されます。

  大落古利根川は、農業排水路のため、清流とはほど遠いですが、水質はさほど悪くはなく、水鳥のほか鯉などの魚も多く生息しており、橋の上からもその姿を見ることができます。また、この時期の大落古利根川は、水量も少なく、どことなく寂しく感じます。

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水が少なく。
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川底が。

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 埼葛橋から見ると、碇神社のイヌグスもよく見えます。昔は、イヌグスがもっと高かった(昭和54年の台風で途中から折れた)ので、船頭さん達の目印になったという話には説得力がありますね。

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古利根公園橋から上流の新町橋方面

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  新町橋の上流には左の方から古墨田川が大落古利根川に合流しています。この合流する辺りの水面には、多くの水鳥が確認できます。左の橋は「十文橋」。

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一方、古利根公園橋から下流を見ると、以前は、西武百貨店ロビンソン百貨店)が見えましたが、今は新しくマンションが建っています。栄枯盛衰。

 

 春はまだですが、春になると両岸に桜が咲き、素敵な春を満喫できます。もうすぐです。一度散策にお出かけください。